木造・鉄骨・RC造の耐震性について

一般住宅に用いられる代表的な構造

一般住宅に用いられる代表的な構造は「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3種類があります。まずは、それぞれの特徴について紹介します。

木造

建物の主要部分に木材が使用されており、日本の一般住宅で最も身近な建築構造です。また、木造住宅には、一般的な構造形式として昔からある「在来軸組工法」とツーバイフォー工法などに代表される「枠組壁工法」の2種類があります。

「在来軸組工法」は、木材で柱や骨格を作り、筋交いや金物で補強する工法です。他の工法と比べて家全体の重量が軽く、地盤に負担をかけにくいことが特徴です。また、在来軸組工法は間取りの自由度が高いため注文住宅を建てるのにも適しています。

一方、「枠組壁工法」は、北米から日本に輸入された工法で、ツーバイフォー工法が有名です。床や壁などの「面」で建物を支える構造が特徴です。建物にかかる荷重が壁全体に分散して伝えられるため、揺れが小さくなり耐震性に優れています。

鉄骨造

鉄骨造とは、骨組みに鉄製や鋼製の部材を用いる建物のことを言います。使う鋼材の厚みが6mm以上のものが「重量鉄骨」、6mm以下のものが「軽量鉄骨」といい、「重量鉄骨」は主にビルなどの大型建築物に、「軽量鉄骨」は住宅に多く用いられています。建物の構造自体は木造と似ており、木造に次いで建築コストが安いことが特徴です。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造とは、コンクリートの中に鉄筋を配して建てられた建物のことです。「RC造」とも言われます。鉄筋とコンクリートの重さが合わさっているため、木造や鉄骨造と比べて重量があります。

鉄筋コンクリート造の建物は、圧縮力に強いコンクリートと、引っ張りの力に強い鉄筋を一体化させて建物を支えていることが特徴です。

木造・鉄骨・RC造の耐震性について

木造や鉄骨、鉄筋コンクリート造などの耐震性については、大きな差はありませんが、地震の揺れ方や耐え方などが異なります。ここからは、それぞれの耐震性ついて紹介します。

木造の耐震性

木造と聞くと、鉄骨や鉄筋コンクリート造と比べて耐震性が低いというイメージがありますが、決して地震に弱いというわけではありません。地震の震動のエネルギーは、建物の重力に比例するため、重い建物ほど揺れが大きくなるのです。しかし、木材は鉄やコンクリートと比べて軽いため、同じ大きさの建物なら木造の揺れが一番小さくなるのです。

鉄骨造の耐震性

骨組みに鉄製や鋼製の部材を用いる鉄骨造の建物は、鉄や鋼の「粘り」によって地震のエネルギーを吸収して建物の倒壊を防ぐ構造です。ただし、鉄骨造の耐震性は、前述した「重量鉄骨」や「軽量鉄骨」のどちらかを使用しているかによって異なります。

一般住宅に用いられることが多い軽量鉄骨の耐震性は、鋼材を使用しているため、家の強度が上がるとともに、耐震性も高くなります。デメリットとしては、軽量鉄骨の家は大きな地震に強いものの、小さな地震では揺れを感じやすいことです。しかし、粘り強く耐えることで、完全に倒壊してしまう危険が少ないという大きなメリットがあります。

一方、重量鉄骨は重量が重い分、耐久性があり耐震性にも優れています。ただし、重量が重いため、家が建つ土地の地盤は弱いと建てることができません。

鉄筋コンクリート造の耐震性

鉄筋コンクリートは重量があるため、地震の揺れが大きくなりますが、非常に倒壊しにくい構造です。これは、鉄筋の弱い部分とコンクリートの弱い部分を、双方がカバーし合うことで、片方だけでは不安だった耐震性を上げているためです。

ただし、鉄筋コンクリート造は耐震性に優れていますが、建物の重量は木造などに比べて重くなるため、建物を支える地盤に強さが重要になります。そのため、土地を購入して新しく家を建てる場合は、まず地盤の診断を行い、十分な強度があるかどうかを確認するようにしましょう。

まとめ

今回は一般住宅に用いられる代表的な構造と、木造・鉄骨・RC造の耐震性についてご紹介しました。

紹介してきたように、現在の建築基準法に沿った形で施行された建物であれば、どの構造でも耐震性は問題ありません。しかし、地震が発生したときの揺れ方などに若干の違いがあります。ぜひこちらの記事を読んで、住宅を建てる際の参考にしてみてください。

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